臨床試験では、リスク低減製品*のリスク低減可能性の評価を目的とし、実際に私たちの製品を使用した際の影響を評価しています。 私たちの実施する臨床試験は、ヘルシンキ宣言に基づく倫理的原則、医薬品の臨床試験の実施基準(Good Clinical Practice[GCP])および実施地域における規制等に従って実施されています。
臨床試験の必要性
リスク低減製品*の使用に伴う影響を理解するためには、エアロゾル化学や毒性評価などに加えて、ヒトを対象とした調査、つまり、臨床試験を行う必要があります。
臨床試験を行うことにより、実際にヒトがリスク低減製品*を使用した際の影響について理解を深めることができます。加えて、例えば、リスク低減製品*としての販売を許可する制度を導入している国においては、申請の審査にあたり、規制当局より臨床試験結果の提出を求められる場合があります。
リスク低減製品*の評価に用いられる臨床試験
- ヒトへの曝露量調査
- ヒトへの生体影響調査
- ニコチン体内動態調査
臨床試験の結果についてはこちらからご覧いただけます。
ヒトへの曝露量調査
ヒトへの曝露量調査では、ヒトがリスク低減製品*を使用した時の健康懸念物質の曝露量を評価します。20歳以上の紙巻たばこ喫煙者が自由に製品を使用することができる条件で試験を行うことで、実際の使用状況下における曝露量を評価することができます。
ヒトへの生体影響調査
ヒトへの生体影響調査では、リスク低減製品*を使用した際の生体影響を調査することにより、私たちの製品のリスク低減可能性を評価します。
肺がんや、心筋梗塞等の虚血性心疾患、肺気腫等の慢性閉塞性肺疾患といった、喫煙との関連が報告されている疾病は長い年月をかけて発症に至ることから、こうした疾病を指標として調査することは困難です。そのため、リスク低減製品*を日常的に使用している20歳以上の喫煙者を対象に、喫煙に関連する疾病との関係が報告されている生体指標の値を評価することが重要になります。
具体的には、紙巻たばこからリスク低減製品*に切り替えた喫煙者の生体指標の値を評価します。用いる生体指標は、疫学研究および臨床研究において喫煙に関連する疾病との関係が報告されているものから選択しています。
こういった疾病は、様々な生物学的過程を経て発症に至ります。その過程には初期段階の変化から形態的・構造的・機能的変化といったものが含まれます。そのため、一つの生体指標だけでなく、複数の生体指標を総合的に評価することが重要になります。
ニコチン体内動態調査
体内動態調査とは、ある製品に含まれる成分が体内に吸収される速度と比率、及び当該成分が体内においてどのように分布、代謝及び排泄されるかを評価する試験です。ニコチン体内動態調査では、リスク低減製品*などのニコチンを含む製品の使用に伴うニコチンの体内動態を評価します。通常、ニコチン体内動態調査の結果はニコチンの血中濃度に関する値として得られます。その中でも特に重要なのは、製品使用時のニコチンの最高血中濃度であるCmax、最高血中濃度に至るまでの時間であるTmax、そして体内に取り込まれたニコチンの全体量に対応するAUCの三つです。